家庭のなかでどのように価値観が育まれていくのか、
プロセスはご理解いただけましたでしょうか?
今回は、その幼少期に身につけた方向性が
今、大人になった私達の内側でどのように
熟成されているのかに視点を置きます
子供時代に演じてきた役割
家庭の中で身につけたものを
詳しく掘り起こしていきましょう

もしも、これといったルールや
言いつけを親からされた覚えがない
という方でも、親のあり方から何らかのものを
子供時代に吸収している可能性が高いので、
ぜひ見てみてください
家庭の中のルールの中で育つ中では
「子供はありのままの自分」
ではなく、
「そのルールに基づいた行動」
をするようになる傾向があります
あるときは優等生に
あるときは反発して問題児に。。。など
家庭で自分の居場所を確保する為に、
小さなときから周囲の状況に合わせた
役割を「演じる」ことを覚えます。
その演じる役割を以下に分類することが出来ます
- 優等生
- 問題児
- 忘れられた子
- 道化師
- お世話焼き
次に、それぞれの特性をご紹介します
- 優等生
- 学校では、いつもよい成績をとるように努力した
- 息抜きをしたり、無邪気になって遊ぶのが苦手
- 周囲に能力を評価されなかったら、自分の価値を感じられない
- ミスや失敗をすると、ひどく自分を責めて落ち込む
- 問題児
- 親か教師に反発や怒りをぶつけてきた
- ルールを無視した行動で自分の存在を目立たせようとした
- 自分でも驚くほど、大胆な行動力を持っていると感じる
- 形だけの同情や見せかけの優しさなど、いらないと感じる
- 忘れられた子
- 家庭でも学校でもなるべく目立たないように行動してきた
- 自分の存在が忘れられているように感じてきた
- 人前で自分を表現したり、意見を主張するのが苦手
- 様々なことをイメージしたり、ものごとにじっくりとりくむ
- 道化師
- 小さい頃から周囲を笑わせよう、和ませようと努めてきた
- 自分の不安や弱さを相手に悟られないように努めてきた
- その場がしらけたり、気まずい雰囲気になると非常に不安を感じる
- 人は分かってくれないけれど、内面は繊細だと思う
いかがでしょうか
これは、どの役割がいい、悪いではなく
あなたが幼少期に身につけた能力であり、
立派な人柄であり、
後々紹介する、あなたにしかない個性の
源泉となる可能性が高いものです
複数のものが当てはまることもあるかもしれません
今、この質問に答えていただくことによって、
あなたの中の大切な個性を形作る種を改めて
見つめなおしています。
自分がどのような特性を持っているか、
少しお分かりいただけたでしょうか?
ここで、ぜひ以下の質問を
自分自身に投げかけてみてください
自分の価値観の源泉に近づいていくことで
過去の捉え変えを行うことが可能です
●あなたはどんなときに「自分はよい」と学び、
どんなときに「自分は駄目だ」と
学んだのでしょうか?
●「私はよい」と感じるとき、
あなたは肯定的なメッセージに従っています。
「私は駄目だ」と感じるとき、
あなたは否定的なメッセージによって自分を裁きます。
あなたが家族から与えられたメッセージは何でしょうか?
肯定的な面と否定的な面を書き出してください
●否定的なメッセージがあなたを苦しめていると感じるなら
それを新しいメッセージに置き換えましょう。
新しい肯定的なメッセージを自分に与えてください
例)
- こんな自分ではいけない⇒私はとてもよくやってきた
- 本当の自分を見せてはいけない⇒ありのままの自分を見せてもいい
- 失敗や間違いは許されない⇒失敗したり間違ってもいい
などなど
●そしてそれを、毎日自分に向かって声に出してみましょう。
過去の自分をまるっと承認する
過去の自分の感情に気付くことで自信を持つ
上記のワークの途中で、
あなたが何に引っかかりを感じているか、
明らかになってきたと思います
また、過去の思いや、
怒りや悲しみなどの感情が出てきた方も
いらっしゃるかもしれません

怒りが出てきた方は、
一歩下がって怒っている自分を見たときに、
その怒りがどこから来るのか、
どのような欲求があるのかに
焦点を当ててみるとよいでしょう
怒りは二次感情といって、
何か他の満たされない感情の上に育つものです
様々な感情が沸き起こっているのは、
それはあなたが素直に
自分の心と向き合っている証拠です
ここで、あなたの子供時代を整理してみましょう
引っ掛かりを覚える感覚を頼りに、
あなたの過去の経験をあなたにしかない強みに変えるワークです
以下の質問は答えを書き出したり、
信頼できる仲間と分かち合いながら
ワークを行ってください
●あなたの子供時代で、
今も整理されていない悲しみや痛みを
伴う体験を一つ選んでください
●その体験について正直に書いてみてください
- どんなことがあったのか
- そのときにあなたはどんな気持ちだったか
- あなたはどう行動したか
●次の質問を手がかりに
自分の感情がどこでストップしているのかを確認しましょう
- あなたは誰に怒りを感じましたか?
- その怒りを誰かに表現しましたか?どのように?
- それを受け止めてくれる人はいましたか?
- 十分に泣きましたか?
- 他にどんな行動をとりましたか?
閉じ込めていた感情がわきあがってきたら、
信頼する仲間と分かち合ってください
そして、もしもあなたが怒りや悲しみの為にとった行動が、
今のあなたから見て間違っていても、
自分を責める必要はありません
「あのときの私に、ほかの事が出来ただろうか」
・・・それしか出来なかったのです。
それが、あなたにとって、精一杯の行動だったのです
その自分を認め、許し、愛してください
そしてそっと、過去の自分を
抱きとめてあげてください
あなたはあなたの精一杯を生きてきたのですから

親を理解し、関係を作り直す
幼少時代を思い出したところで、
親の存在に大きく影響された方は
少なくなかったと思います
自分を見つめなおすときに、
親に対して感情がある方は、ぜひ
「親を一人の人間としてみる」
事を行って頂くことをお薦めします
これは、必ずしも仲良くなってください、
とか、今すぐ会いに行ってください
ということではなく、
親が、あなたを育てた年齢の頃、
「何を感じていたのか」
に思いをはせるということです
もしかしたら、親も私達と同じように
彼らが育った環境から受け継いだメッセージの下、
苦しみながら生きてきたのかもしれません
親も人間です
あの時代に生き、あの環境の中で
親は何を感じ、何を背負い、何に苦しんできたのか
あなたへの振る舞いが、
もしかしたら彼らにとって
精一杯の行動であったのかもしれません
他の行動、表現の仕方を知らなかっただけかもしれません
いかがでしょうか
時代の変化はめまぐるしく、
私達と共感できる部分は限られるかもしれません

ただ、確実にいえるのは、
親はあなたの人生を傷つける暴君ではなく、
失敗したり悩んだりしながら一生懸命生きてきた
一人の人間なのです
思いをはせたら、いつか、
親の生き方に共感するチャンスが来るかもしれないと
親と関係を紡ぎなおすときが来るかも、
と信じてみることです
※以下、他の方のサイトですが
当時の出来事をまとめた年表を載せています
お役立てください
家族遺産プロジェクト
http://kazokuisan.jp/top/search
まとめ
●子供時代に自分が演じてきた役割を
振り返って、肯定的なメッセージを自分にかけてあげる
●閉じ込めていた感情を開放し、
「自分は精一杯のことをやってきた」と承認してあげる
●親を一人の人間としてみてみる
次回はいよいよ、あなたが育んできた役割を
最大限個性に活かす内容です!
引用元文献、参考
「アダルト・チャイルドが自分と向きあう本」
アスク・ヒューマン・ケア研修相談室 (著)
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