あなたの本気で相手の元気を呼び覚ます方法とは。10年振りにエチオピアの友人と、本気の会話ができた話


私は何か疑問をもったり、

好奇心が沸くことは

どんどん人に聞いてしまいます

単純に、

自分が経験してきたことがないことを

体験してきた他の人に興味があって、

その人のことをもっと知りたいから聞くんです

 

質問から、友達になる人も多いです^^

 

でも、そんな私でも、ずっと、

ある人に、

聞けていなかった質問がありました

 

 

そのことは、いつの間にか時と共に

記憶の奥底に流れ着いて

今となってはもう、

忘れかけていたことでした

 

それは、10年前に

エチオピアの友人に聞けなかったある質問です

自分に受け止められるか自信がなかった私

きっかけは、このブログを書いていたとき

この記事↓(以下リンクです)
[自分の弱さと根本から向き合う3つの方法。
エチオピア人の友人から学んだこと
]

エチオピアからの留学生達

一番左が、友人のヨルダヌス

 

この記事を読んだある友人から、

今の阿部さんなら

このご友人(ヨルダヌス)に、

この質問をできるか?

ということでした。

それは、

「卒業したら、ビザはどうするの?

アメリカに亡命するつもりなの?」

 

という質問です

 

10年前、私はこの質問を出来ませんでした

この質問をして、

返ってきた答えを

受け止める自信がなかったから

 

でも、この質問は聞いてみたかった。

彼女がこれからどう未来を

切り開いていくのか

とても気になったから、

 

ということと、

 

昨年末のアメリカ大統領選挙で

当選したトランプ大統領の

移民に対する過激な発言・・・

 

彼女を取り巻く環境は

どう変わっているのだろう

 

彼女はこれからどうするのか聞いてみたい

何か、私が出来ることはないかなぁ

・・・とメッセンジャーを開きました

 

でも、なんだか聞けません

 

返ってくるであろう答えを、

どう受け止めていいのか

まだ戸惑いがあったのです

エチオピアに戻れない辛さと
(難民申請申請をした人は基本的には
祖国に帰ることはできません)

彼女がいるアメリカでは

トランプ大統領が当選して、

移民に対する接し方の急激な変化と

 

私が想像できないような状況にいる彼女の

立場になりきる自信がなかったのです

左がヨルダヌス、右がわたし

左がヨルダヌス、右がわたし

聞いても、

自分はそこで何をいえるのか、

そもそも、

日本で守られている暮らしをしている私が

「これからどうするの?」

なんて聞いたら、

彼女はどう思うだろうか・・・

 

でも、そう思う自分がいる一方、

一人の友達として支えたい自分でいたい

彼女のことをもっと知りたい

という自分もいました

Reunion with Yordanos

ヨルダヌスとわたし

なんというか、まだ、

自分はやっても何もできないんじゃないか、

その自分に落胆したくないって、

守っている感じがしていました

 

でも、私は考えました

 

私が彼女の立場であれば、

どんなことを友人に望むだろうか

 

わたしは、もっと自分の正直な気持ちで

彼女に話すことを決めました

 

彼女の力になりたい

 

という気持ちです。

それを素直に伝えていいんじゃないか、

と思ったからです

 

彼女がどう受け取ろうと、

支えたいんだ、ということを、

伝える、だけでもいいのではないか

と思いました

 

 

彼女が本気で打ち明けてくれたこと

彼女にメールを打つと、

即、返事が返ってきました

 

いつもは、とりとめもない話で終わるのですが、

 

私は、彼女に支えになりたい、

辛い時はいつでも吐き出して欲しい

と正直に伝えました

 

彼女は少し戸惑ったように

「誰が、他人の苦労をわかりたいとか

シェアしたいなんて思うのよ・・・」

と、いささか後ろ向きだでした

 

でも、私は今まで自分と沢山向き合ってきて

誰かの本気で支えになりたい、

きっとなれるという

暑苦しい自信がありました

その自信と想いが伝わったのか

 

彼女はだんだんと

こちらを見てくれるようになりました

そして、

 

8年前から、結核に苦しんでいたことを

私に話してくれました

 

今は結核は治ったものの、

その後遺症の胃炎に苦しみ、

その胃炎の痛みを感じるたびに

結核で悩んでいた

当時の苦しみが思い出されて、

精神的にとても落ち込むんでしまい、

社交的にもなれないと話してくれました

 

くわえて、

やはり最近は差別的な言動を

浴びせられることが多くなり、

前のように明るい充実した日々は

送れていないといっていました

 

この病気の事、素直な辛いという気持ちを

話してくれて、私はとても嬉しかったです

 

 

そして彼女に元気になってほしくて、

結核を克服した自分を

ちゃんと認めてあげているか聞いたところ、

それは出来ていない、

といっていました

 

彼女いわく、

「神様がわたしに与えた試練だから、

私はこれに耐えなければいけない」

とのこと・・・

 

彼女は顕教なカトリック教徒です

 

彼女にはそれなりに神様を

信じる理由があると思います

 

でも、それがあっても

私は彼女にきちんと、

自分が耐えて苦しむ人間ではなく、

素晴らしい愛にあふれる人間であると

わかってほしかった

 

愛される人だし、

愛することもできる人だと知っていたし

信じていたし、

そうあって欲しかったから

 

また、私には、彼女が行ったことは、

彼女が神様を信じたい、というよりは、

 

ああ、彼女はこう思い込むことで

変化を避けようとしている・・・

 

と感じました

これを、なんとか打ち破って欲しい・・・

 

神様のことは何も分からないですが、

彼女に元気になって欲しくて

こういいました

 

「なぜ神様は

あなたを生かしたんだと思う?

あなたにまだ役目があるからでしょう?

神様があなたを愛しているなら、

あなたが耐えている事を見るのは、

神様が本当に望むことじゃ

ないんじゃない?」

 

と、クリスチャンでもない私ですが、

本気で言いました

 

これは、勇気が要りました・・

 

そうしたら、彼女が、

しばらくの沈黙のあと、

「そうだよね、

この人生でまだ私が出来ること、

楽しめることはあるはずだよね」

と言ってくれました

そして私は、彼女にただただ、

明るい笑顔を取り戻して欲しくて、

 

「辛い結核のときの経験を

辛い経験のままにしないで、

自分が乗り越えてきた

レガシー(遺産)として

捉えて受けとってもいいんじゃないのか?」

とも言いました

 

すると、彼女はこの先、

慈善活動に興味がある、

やりたい事はある

という話をしてくれました

 

わたしは、

「じゃあ、結核で悩んでいる人たちの

力になれるのはあなたじゃないの?

その辛さをわかるのはあなたじゃないの?」

と言いました

 

私には、結核になることの苦しみは分かりません

苦しんだ経験がないですから

でも、ヨルダヌスはその苦しさを誰よりも知っている

経験したことがある彼女だからこそ、

伝えられることがあると思いました

 

すると、

彼女がだんだん前向きになってくれて、

「辛い時期は経験したからこそ、

よりいい人生の方向が見つかるのよね・・・」

と言ってくれました

 

最後に

「神様が喜ぶような宝を積める

神様の子になるように、

誠実に美しく生きたい」

といってくれました

「なんだか、その準備が出来た気がする」

とも言ってくれました

そして、

「トシコ、ありがとう」と

 

彼女に

「アメリカに亡命をするのか?

これからどうするのか?」

の質問もできました^^

すると、彼女は既に

永住権を獲得していたことも分かりました

本気は伝わる、心を開かせる

私がこのやりとりをする勇気がなかったら、

彼女は誰にも、苦しみを打ち明けられずに

今でも苦しんでいたと思います

 

話す前、私には

自分が彼女の力になりたい!

ということと、

本気で向き合う覚悟しかない

と思っていました

 

でも、結果的に

その二つだけあればよかったのです

 

 

宗教とか日本人だからとか、

どこに住んでいるとか、関係なく、

一人の人間として、

相手を想う力と

相手に本気で向き合う覚悟

 

ヨルダヌスと私

10年前のヨルダヌスと私

 

ああいったら駄目かな、

こんな私じゃ駄目かな、

と、自分にないものを見たり、

限界に言い訳を求めて、迷う自分に

酔うことをやめて、本当によかった

 

自分の、

「誰かの力になりたい!」

という気持ちを、本気で信じること。

 

本気は伝わる、

本気で人を思う気持ちは、

誰かを必ず元気にする、

そう、実感しました

 

 

あなたの「本気」を待っている人、

あなたの周りに沢山いるはずですよ

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